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つぶやき集 2015年3月 4

Posted by 彩月氷香 on 12.2015 つぶやき集   0 comments   0 trackback
パスカル・メルシエ『リスボンからの夜行列車』をゆっくりと読んでいる。久しく感じなかった「まるで私のために書かれたような」という想いに捉われる小説。タイトルから推理小説だと思い込んでいた(私がよく起こす勘違い)けれど、どうやら哲学小説らしい。その言葉もあまりピンとは来ないのだが。

思考の背景にキリスト教が常にある、というのが。どうやら私にとっては自然なことに感じられるらしい。神を否定するにしてもまず「在る」のが前提であるわけで、やはりそれは「当然」のものと認識してしまっている。良いも悪いもなく、それは変えられないものだとふと、強く実感した。

宗教は好きではない。もともと生活の中にあったものでないなら敢えて持つ必要はないと思っている。神を信じるとしても。それはキリスト教でも仏教でもイスラム教でも、その他のどんな宗教のものでもないと思ってきたし、それは変わらないけれど。そのこととは別にキリスト教的な概念は根深く在る。

在るのは知っていたけれど、もっと弱いものだと思っていたな。

価値観や道徳観や美意識において。無神論者に同調できることが多いのだけれど。それはよく考えるとキリスト教圏において神を信じないという姿勢に限定されていて。ただ信じないと言い切ってしまって終わりにならない精神の葛藤と苦悩を生み出す背景があるからこそなのだろう。

「魂とは、事実の宿る場所だろうか?それともいわゆる事実と呼ばれるものは、ただ我々が語る話の見せ掛けの影に過ぎないのだろうか?」—パスカル・メルシエ『リスボンへの夜行列車』より。この言葉を語る登場人物は「自分自身に対して鋭い意識を持ち、容赦なく誠実だった」と形容されていた。

私には持ちようも無い厳しさで磨かれた自省的な思索を語る言葉の、不思議なほどの詩情に満ちた美しさの数々に魅了された。彼の抱いた苦しみはおそらく誰にでもある。大抵はもっと卑小な形で—というのも自身に対する彼ほどの厳しさは貫けないから—時には押し殺されていても。
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