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八朔の雪  高田 郁

2015.11.13 高田 郁   comments 0
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ハルキ文庫
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主人公の澪は、幼い頃、易者にこう言われます。

お前はんは『雲外蒼天』の相やな。
可哀そうやがお前はんの人生には苦労が絶えんやろ。
これから先、艱難辛苦が降り注ぐ。その運命は避けられん。
けんど、その苦労に耐えて精進を重ねれば、
必ずや真っ青な空を望むことが出来る。
他の誰も拝めんほんど澄んだ綺麗な空を。
ええか、よう覚えときや。

で。その通りの、人生を歩んで行くわけです。
つまり、健気で努力家の少女の成長物語。
少年ジャンプの少女版と言いますか・・・
しっかり「友情」も重要なモチーフになってます。

ハイ、私が、どっちらけるパターンの物語(笑)

でもね。私も歳をとったのかな。
素直に心が温まりますね。
美味しい食べ物も出てきますしね。

ちょっと陰のある、シニカルなお侍さんが出てくる辺り。
懐かしいような少女漫画ノリだなぁ・・・とか思いつつ。

お料理の工夫の数々が特に、楽しくて。
美味しさ、っていうのは、そもそも何なのかな〜と。

重要なテーマのひとつでもある(と思う)
関西と関東の味の違いの描写も、ワクワクしますね。

私は関西から出たことない人間ですが。
親が関東なので。どちらの味も「わかる」のです。

概ね、味付けは関西のほうが好きですが。
100%というわけではなくて。
うなぎと蕎麦は関東の方が好きですし。
お雑煮も関東式に馴染んでますし。
たぶん・・・他にもチラホラあると思います。

さてさて。

天満一兆庵の板場に居た頃は、ただ味のことだけを考えていれば良かった。今は客の懐具合をも念頭に置かねばならない。制約のある中での味作りは、しかし、澪には意外にも楽しかった。 

この「制約がある」楽しさは。
味に関わらず、物作りに共通するかなぁと思います。
いえ。作るだけでなく、時間を過ごす上でも。

ひっくり返せば。
「制約を楽しめる」かどうかが、
人生の命運を分ける(大袈裟?)部分があるかな・・・と。

口から摂るものだけが、人の身体を作る

という言葉も出てきましたが。
近頃、食がめっきり疎かな私・・・耳に痛いです。

胸の中に一筋の光が射している。
この光を抱いて行こう。澪は両の掌を胸にあて、もう一度祠にお辞儀をした。

こういう、何気ない描写が優しいですね。
「両の掌を胸にあて」というところがいい。

(2015.7.16)
シリーズで、続篇がいっぱい出てるようなので。
疲れている時に心の清涼剤として読みたいと思います。


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  • 八朔の雪  高田 郁
  • 2015年11月13日 (金)

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