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持たない幸福論  pha

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幻冬舎
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「働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない」
という・・・けっこう過激な副題がついていました。

なるべく働かずに生きるという彼の生き方を語った本ですが。
その奥にある彼の生活観にはとても共感します。

 多分僕がお金がなくてもそんなに不満がないのは自分がやりたいことは実現できているからだと思う。それは「自分のペースで生活に実感を持ちながらゆっくりと暮らす」ということだ。具体的に言うと、毎日好きな時間に起きたり、その日の気分次第で一日の予定を決めて、散歩をしたり猫と遊んだり料理を作って食べたり、眠たくなるまで夜更かしをして好きな時間に眠ったり、という感じのことだ。


彼は京都大学を卒業して、ちゃんと会社勤めもしていたわけですが。
働いていた頃のことをこのように回想します。

金銭的には余裕があったけど、「自分にとって一番大事な生活のペースやリズムを奪われている」という感じがして、あまり毎日を幸せだと感じられなかった。


そして、会社を辞めてのちの、ニート生活をこう語ります。

「お金よりものんびりできる時間のほうが大事だな」と思ったので、今のようなあまりお金を稼がない暮らしをしている。

そんな自分を肯定するまでには、時間がかかったのだろうな・・・
「体力がない」という言葉が本書にも度々登場しますが。
そのことを「怠け者」「ダメ人間」と周囲も自らも感じて、
本ではさらりと流していますが、きっと苦しまれたと思います。


そして、彼は、彼自身だけの問題を超えて、このように考えます。

 なんか、普通とされている生き方モデルがすごく高いところに設定されていて、実際にそれを実現できるのは全体の半数以下くらいの人でしかないのに、「真面目にやっていればそれをみんな普通に達成できるはず」というプレッシャーが社会全体に漂っている気がする。

古い生き方は一部の人間しか救う力がないのにそれに代わる新しい生き方もまだ力を持っていなくて、古い価値観がいまだに人々にプレッシャーをかけ続けて苦しむ人が増えている。それが今の日本の生きづらさの正体なんじゃないだろうか。

私自身が従来の「普通」というところから外れてしまった、
完全にあらゆる意味で「低い層」に属するので。
すごく、すごく、すごく、共感します。

個性によって「普通」を外れたのではなく。
人間として「出来損なっている」から「普通」であれない。
哀し過ぎるので、そうは思わないようにしていますが。
でも、他人様にはそう評価されても仕方ないと諦めています。

phaさんが言うところのプレッシャーは私も感じ続けていて。
学校を卒業するまでは何とかそれに応えるべく努力したのですが。
以後、もう自分には無理と諦めてしまいました。

phaさんは一流大学を出て、会社に勤めるまで頑張ったので。
その後、「疲れ果ててしまった」のも無理はないと思います。

彼が何度か表明する「僕は体力がないから」という言葉。
これは体力がない人にしか、きっと理解できない。

体力がないぐらい、どうした!・・・という風潮がありますし。
体力は気力で補えるだろうという考え方も間違ってはいません。
でも、体力がない人は幼い頃からずっと絶えることなく、
気力で体力を補って、何とか「人並み」に追いついているのです。

「普通」であるために、人間性を使い果たしている、
・・・と言うと、大袈裟でしょうが。それに近いものがあります。

あと。自分に反映させて「体力」の方をクローズアップしましたけど。
精神面でも、「普通」のレベルを適用するのは横暴だと感じています。
ていうか。私自身、精神面でも「人並み」に到達するのは厳しいです。

普通とされるレベルの収入やら。結婚やら。家族やら。
どれも持てないことは確定していますし。
そのことを悔やもうにも。その能力がないから仕方がないし。

「普通にも満たない」ということに腐っても得るものはないので。
世間様からどう思われようとも、もう仕方ないと諦めながらも。
肩身が狭いというか。辛い思いをしている人は少なくないでしょう。

あるいは。精一杯「普通」レベルに達するべく頑張り続けて。
日々、疲れ果てているという人も・・・

お金の額に左右されるのではなくて、自分が幸せを感じられるのは何かというのをしっかり知ることが大事。

ほんとに、phaさんの言う通りなわけですけれど。
今、それこそ疲れ果て過ぎて、日々、半分死人な私でも。
仕事を辞めて、即座にニート生活に突入する勇気は湧きません。

ただ。例え人並みを激しく下回る収入、暮しぶりになっても。
phaさんのように「ゆっくりできる時間」があった方が。
ずっと幸せなのではないか・・・とは感じています。

彼と同じく。ネットで収入を得るというのは難しそうなので。
何か、ほどほどな仕事を見つけなくてはなりませんね・・・

拘束時間が短く。
体力を消費せず。
人間関係のしんどさがなく。
休日が多い。
ただし、給与は低くても可とする。

・・・そんな仕事、あるかしら?

そして。現状の自分の職場を振り返ると。

拘束時間が長く。
体力を消費し。
人間関係が最悪で。
休日が少ない。
さらに、給与も低い。

・・・という、そりゃ疲れて当然だわという仕事なのでした。

この生活を続けたら人間が壊れる、と感じながら。
金銭的不安から、辞められずにいます。

お金がなくても暮らせるという自信は。
うーん。うーん。なくもないけど、あるとも言い切れない。

まず。phaさんの考え方のうち、共感するのが難しかったのが。
「シェアハウス」に暮らすという生活スタイルで。
彼のいわんとする、家族以外の人間のつながりは。
理屈では良いと思うのですけれども。
私の性分には間違いなく、合わないだろうと思います。

となるとですね。
家賃の節約というところが不可能になりますね。

他にも細かく言うと。
著者の暮しぶりを参考にするのは無理な点があります。

この本を読んだ人が皆、思うことでしょうけれど。
そもそも、この人、頭がいいじゃないかー!
ニートっていうには、高尚過ぎるでしょー!

それに。
本が売れたから、今や、貧しくないでしょー!

まぁ。でも。そういう下世話な感想はおいておいて。
「普通」であろうという努力をやめて生きる道を示してくれている、
私の疲れ果てた心を救ってくれる本だったわけなのです。

(2015.12.8)
読後に「尾を引く」本には近年あまり出会いませんが。
私にとって久しぶりに長い尾を引く本でした。
いまもその「尾」をずるずる引きずりつつ暮しています。
私なりの「なるべく働かない暮らし」の実現への道を、
今、模索し始めているところです。

関連記事

なるべく働かない生活スタイル、良いと思います。私も少し前に同じ書籍を読んでおり、共感できる部分も多かったので、ついコメントしてしまいました。また時々本探しの参考に立ち寄ります(^^)
2016.03.07 08:01 | URL | ふじこ #s5U9Z/C6 [edit]
はじめまして。
お声をかけてくださってありがとうございます。

なるべく働かない生活、なんとか実現したいです。
現在のところは、なぜか遠ざかっていってるのですけれど・・・

ところで先程、ふじこ様のブログにお邪魔させて頂きましたら、私の好きな『つくることば いきることば』が紹介されていて嬉しくなりました。ふじこ様の繊細でシンプルなボールペン画も、とても素敵ですね。

ぜひ、また気軽に遊びにいらしてください。
私もゆっくり時間のある時、改めて訪問させて頂こうと思っています。
2016.03.07 17:42 | URL | 彩月氷香 #- [edit]
ありがとうございます(*^^*)

なるべく働かず、でも生活してゆくというバランスの取り方は難しいですね。

ブログも拝見して頂けて嬉しいです。
「つくることば いきることば」は、本当に素敵な一冊ですよね。

また是非気軽に覗いてくださいませ♪
2016.03.07 22:02 | URL | ふじこ #s5U9Z/C6 [edit]
はい。ほんとうに・・・
でもメゲズに今、模索中です。

シンプルライフもかなり真剣に目指してました。
近頃は、シンプル過ぎない程度がいいなと思います。

では、またお邪魔させて頂きますね♪
2016.03.08 22:33 | URL | 彩月氷香 #- [edit]


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  • 2016年03月03日 (木)

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