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殺人者の顔   ヘニング・マンケル

4488209025
創元推理文庫
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 見知らぬ住居に入るとき、クルト・ヴァランダーは新しい一冊の本を開くような気分にある。部屋、家具、絵、匂いが本のタイトルだ。いま彼は本を読もうとしていた。だが、エレン・マグヌソンの住居には匂いがなかった。まるで、人の住んでいない住居に入ったようだった。慰めも楽しみもない空気を吸い込んだ。灰色のあきらめ。


スウェーデンの警察小説のシリーズ1作目。
あまりパッとしない刑事が主人公です。

この主人公の絶妙な(?)ダメ男ぶりに、
ついついズルズルと読んでしまう・・・

必ずしもそうとは言いきれませんが。
警察小説は中年おやじの悲哀、
探偵小説は独身貴族の虚勢・・・が
見え隠れすることが多い気がしますね。

どちらにしても。
孤独の色の濃い「生活感」が滲み出ている。

突拍子もないような、あるいは残酷極まりないような、
事件やら殺人やらがバタバタと起こるという非日常を、
現実味のない絵空事に感じさせないために。
主人公や登場人物にリアルな生活感が必要なのだと思う。

私は猟奇的な犯罪を扱ったミステリもよく読みますが。
決してその方面の興味があるというわけではなくて。

事件が異常であればあるほど、
作者が登場人物のディティールを丹念に描く傾向にあり、
そこに表れる暮らしや感情や思念を味わうのが好きなのです。

その辺り。かなり満足できた作品でした。

というわけで。
本作でも、被害者の殺され方が酷いです(笑)

(2015.12.22)
スウェーデンという、知ってるようで知らない国の。
世情が垣間見えるところも魅力ですね。


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  • 2016年03月23日 (水)

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