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シェル・コレクター  アンソニー・ドーア

Posted by 彩月氷香 on 01.2016 その他 翻訳文学   0 comments   0 trackback
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たしかにこれも人生だ。人々はこんな生き方を選ぶのか。自分のなかのどこかで、風が死んでゆくのを、若さの疾風が抑えられるのを感じた。彼女の人生のすべては__健康、幸福、愛さえも__風景によって決定された。彼女はそのことに気づきはじめていた。住む世界の天候は彼女の魂の天候と分ちがたく結びついていた。動脈の風はやみ、肺には灰色の空が垂れこめた。耳の奥で脈動が、流れる血の響きが聞えた。それは時そのものだった。なめらかに過ぎゆき、とりかえすことはできず、永遠に失われる瞬間を着々と刻んでいた。彼女はそのひとつひとつを悼んだ。

「ムコンド」という作品から引用しました。本書は短編集なのですけれども、表題作の「シェル・コレクター」は、私はあまり良いとは思わなくて。好きなのはこの「ムコンド」と、あと「ハンターの妻」。

独特な世界ですよね。詩的と表現してしまうのも単純すぎる気がする。幻想的だったり叙情的というより、もっと力強いしぶとさがある。

評判から期待したほどではなかった。全ての短篇が傑作というのではない。でも、人によって違うのだろうけれど、中に「お、これは!」と思う作品はあるに違いない気はする。

(2016.1.29)
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  • 2016年06月01日 (水)

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