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雪は天からの手紙  中谷宇吉郎

2016.03.30 未分類   comments 0
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岩波少年文庫
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 恐しいもので、この「茶碗の湯」を数行よみかけたら、これは寺田先生以外には誰も書けないものだとすぐ直感された。それは、文章の良い悪いなどの問題ではもちろんなく、また内容が高級で表現が平易であるなどということを超越したものであった。強いて言えば、それは芸が身についた人の芸談にあるような生きた話であった。

 しかし前人未到の最初の着想というものは、決して安易な思いつきで得られるものではない。それはどこまでもじっとくい入っていく人間の精神力が、凝りに凝ったものなのである。

 学者というものは、とかく新聞記者が嫌いな人が多い。その理由として間違ったことを書くからというのは、いかにももっともである。しかしこの頃の一流の新聞では、そう全くでたらめを書くようなことはめったにない。それよりももっと分かった人は、どうも新聞では、活字の配置と重点の置き方で、全くの嘘ではないが、まるでちがった印象を読者に与えるように書くから困ると言われるようである。この抗議はいかにも急所をついた話であって、今日のジャーナリズムというものの本質の一面をよく表していると思われる。

何か思いついたことがあったら、おっくうがらずに「ちょっとやってみる」ということが大切である。思いつきというものは、一度手をつけておけば忘れないが、そのままにしておくと、どんどん忘れてしまうものである。


雪の研究で知られている著者のエッセイ集なので。
このようなタイトルがついていますが。

実際は雪の話ばかりではなく、線香花火や米粒や、
千里眼や、卵、霜柱・・・などなど多岐に渡ります。

科学の面白さを身近なものを題材に教えてくれます。
それは科学ということだけではなく学問ということでもあり、
もっと言えば探求的な生き方ということなのだと思います。

とても気持ちのよい文章で、さっぱりと清々しい。
著者は寺田寅彦の弟子だったそうで、
師を尊敬する心の篤さもよく伝わってきます。

そう、そう。いいんだなぁ・・・寺田寅彦の文章。
昔、随筆を愛読していました。
久しぶりに読み返してみようかな。

(2016.1.29)
著者の専門分野の雪の話はもちろん、愉しい。
もっと読んでみたいので、著作をあたってみるつもりです。

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  • 2016年03月30日 (水)

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