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2016年1月に観た映画

2016.02.27 映画   comments 0
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あの日の声を探して
★★★★

監督 ミシェル・アザナビシウス
2014年 フランス・グルジア合作
126分

ベレニス・ベジョ
アネット・ベニング
マキシム・エメリヤノフ
アブドゥル・カリム・マ


みんぱく映画会にて。
「みんぱく」というのは、国立民族学博物館の愛称。梅棹忠夫氏が初代館長として長く勤めていた博物館です。万博記念公園内にあり、我が家から近い。月に数回、無料で映画会を開いていることを知り参加しました。

「上映される機会の少ない文化人類学・民族学に関する貴重な映像資料などを、研究者の解説を交えて上映しています。」となっている通り、人種とか文化とか社会問題を扱った映画を選んで上映しているようです。タイトルの響きが素敵で、チラシで見た男の子の表情が印象的で。それで、「観てみたい!」となったのですけれど・・・

とにかく、辛かった。文字通り、正視に絶えない場面が続出。上映前に司会者が「言葉を失う場面が多々あると思います」と言った意味がすぐにわかり、観通すことが出来るだろうかと危ぶんだほどでした。

ただ、いい映画なのです。滅多にないくらい。なんだろう、わざとらしさ、押し付けがましさ、過剰なメッセージ性とかがなくて。このように救い難いテーマを描くにあたって、「適切」というのもおかしいのだけれど、わからせようとしないのに、よくわかる、という描き方をしています。

舞台は1999年のチェチェンで、ロシアの侵攻によって両親を殺害された9歳の少年ハジが主人公なのですが。彼をただの「被害者」にはしていないし、彼と出会い、保護した女性との関係を美談にもしない。もっと言えば、彼の家族を奪ったロシア軍兵士をも「加害者」として描かない。

「声」が多すぎない映画だな、という印象。特に寡黙な顔立ちの映画ではないのだけれども。説明が多くない。普通はもっと登場人物たちの環境や問題を場面を通してでも説明してしまうような気がするのです。でもこの映画は語らずとも察せられる・・・という風に作られていて。

当たり前といえば、当たり前のことでもあるのだけれど。その按配が素晴らしい。なかなかそれが出来ていない映画が多いのです。たくさん語っているのに、よくわからずしっくり来ない点がある、とか。そんなにしつこく状況説明的な台詞や場面は必要ないのに、とか。そう感じることがよく、あります。

私はたぶん。そういうものを察知しない時、この映画はとてもいい映画だ、と感じるのだと思います。映画の呼吸に無理がない、というか。映画を観ている最中に違和感とか疑問を抱かないというか。その作品世界に集中できる、ということが一番大事なのです。

考えさせられることはあり過ぎるけれど。そこから希望を紡ぐことが難しくもあるのだけれど。映画はこうあって欲しい、というような映画でした。

あ。監督は「アーティスト」を撮った方なんですね! はぁぁ〜。あの映画、ほんとうにほんとうに大好き。現代に無声映画を撮るっていうのは大変珍しいことですし。私自身、無声映画を楽しんで観られるとは正直思わなかったのですけれど。

私はきっと、この監督の「語り口」が好きなのだと思います。
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