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古本暮らし  荻原魚雷

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晶文社
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わたしは『菜根譚』は魚返(善雄)訳がいちばん好きだ。

 本の整理をするとき、「もし今この本を持っていなかったとして、百円均一の棚で売っていたら、買うかどうか」と自問する。百円でも買わないなぁ、とおもえるような本なら、迷いなく売る。この方法は、本にかぎらず、衣服や贈答品にも応用できそうだ。「これは百円でも買わんな」というような食器もどんどん捨てることにした。今なら百円ショップでもっといいものが買える。

 なにかしらの制約を自分で決めないときりがない。
 向き不向き、要不要。その見極めはとてもむずかしい。

ペットボトルのダンボール。二リットル×六のものが本やCDの引越用にぴったり。

新しいことをはじめる。それを習得するのに十年かかる。人生の残り時間はあとどのくらいか。そんなことを考えていたら、何もできない。
 あとさき考えずにやりたいことをやる。それがいちばんだ。

 経験上、「文章を書くことによって、心を落ち着かせたい」とおもうようなとき、ようするに、あるていど不幸、不遇なときのほうが、文章に気持ちがこもる。
 そうすると、仕事が順調なときは、あんまりよくないということになる。
 矛盾しているようだが、そうなのだ。

 体力にも個人差があるように、欲望にも個人差がある。でも好奇心や欲望のおもむくままにいかなくなったのは、体力のおとろえとも関係している気もする。

 収入が不安定だと人生設計ができない。その結果、なりゆきまかせになる。なりゆきまかせでいくにしても、なんらかの計算が必要になる。計算ばかりしていると、おもしろみがなくなる。なんの計算もしないと長続きしない。むずかしいところだ。

共感しすぎて、引用だらけになりました。本を読む、本を買う、文章を書く。それで暮していけたら幸せだなと思ったこともあるのだけれど。著者のように雑文書きで生きていくのはなかなか大変。うん、でもこの人の暮らしぶりは好きだなぁ。それにしても最後に引用した一文、突き刺さるほどに他人事じゃないな・・・

以下、本書の中から気になった本を書き抜いてみた。

菜根譚、眼中の人、天野忠随筆選 (ノアコレクション)、一人のオフィス、すこぶる愉快な絶望、軽薄派の発想(吉行)、うらおもて人生録、男性諸君(神吉拓郎)、たたじまいの研究、ジャーナリスト感覚(太田克彦)、悲しい生活(松村)、「ベターホームのスピード料理」、無用のかがやき、旦那の意見(山口瞳)、灰皿抄(永井竜男)、ふつうがえらい(佐野洋子)、神も仏もありませぬ(佐野洋子)、東京的日常(関川夏央)、詩論のバリエーション(荒川洋治)、自分を語るアメリカ(片岡義男)、気晴らしの発見(山村修)、

さて。

同人誌『VIKING』編集人黒田徹さんが挙げていたという「いい作品の条件」
一、作者が「書きたい」と思って書いたもの。二、いやしさを感じさせないもの。三、自分の言葉で書いてあるもの。四、作者の精神が隠れていないもの。以上の四点。
著者はこれにさらに付け加えるなら「なるべく短く」だそうだ。

うん。わかるわかる。そしてこの四点を満たすのは、大抵の場合、作家の処女作もしくは初期の作品である場合が多いんですよね・・・

(2016.4.10)
著者が同業者の先輩に言われた言葉が、やけに耳に痛い。

「自分の言いたいことなんてたった一行でいいんだよ。おまえの原稿は最初から最後までぜんぶ自分のいいたいことばかりだ。それだとおまえのことを知ってるやつならおもしろいかもしれないが、知らない読者には伝わらないよ」

これ・・・自分も思い当たるなぁ・・・

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  • 2016年07月22日 (金)

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