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つぶやき集 番外編 11

行きそびれているうちに。消えてしまう場所がある。会いそびれているうちに。会えなくなってしまう人がある。惜しくてならないけれど。会えなかったことが「心残り」という形で刻まれるのも。それはそれで縁なのだろう。

私にはまだ残っているかしら、と。このところずっと、秘かに問い続けている。なのに何が残っていて欲しいのかはわからない。自分のなかから、消えて欲しくなかった何かが、消えてしまった気がしているのだ。だけど、まだ呼べば帰ってくる近くにいるような気もして・・・。

私は大切なものを日々亡くしている、と感じたのはまだ成人しない頃のことだった。どんどん失われていくものがあるようで、ほんとうに怖かった。なによりも、その失われていくものたちをいつか私は完全に忘れて平気で生きていけるだろうという予感が恐ろしかった。

当時の私からしたら今の私なんて残りかすのようなものだろうに。まだ失くせるものがあるというのはある意味すごいことだ。歳を重ねることは「得る」ことよりも「失う」ことの方が多かったと言いたいわけでは決してないのだけれど。持ち続けられなかったものたちを惜しまずにいることは難しい。

私しか私を救えない、と。もうここ何年もずっと。思い続けている。否、意識の奥に押しやっているけれど、自覚している。でも。私には出来ることがなにもない・・・とも感じていて。だから、その事実を忘れようとしている。ふと気が付く。自分を救うには「今を生きる」ことに徹するだけでいいのだ、と。

ただし。それはとてもとても難しいことになってしまっている。そのように生きて来てしまったからだ。だけど時々。まだ思い出せる瞬間がある。「今」に自分が存在している実感だけで、すべてが輝く時間を。何かを成したからでもなく、何かを得たからでもなく、自分がここにいる、それだけの純粋な幸せ。
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  • つぶやき集 番外編 11
  • 2016年08月25日 (木)

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