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川は静かに流れ  ジョン・ハート

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ハヤカワ・ミステリ文庫
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殺人犯の濡れ衣を着せられ、親にも勘当され、恋人とも別れた主人公が
故郷へ五年ぶりに帰ってくる。
そしてまた、続々と不幸が起こる・・・という話。

お、重い。
個人的な話で恐縮ですが、私、奥田英朗の「最悪」を読んだ直後に、
この本のページを開いたのですよね。
だから、いっそう、読むのが辛く感じた。

うう、し、しんどいぞ。
こんなに不条理な環境に投げ込まれて、過去の悪夢に祟られて、
信じたい人を信じられず、信じて欲しい人に信じてもらえず、
悪意の渦巻く環境で、身の潔白を晴らすために奮闘するって・・・。

あーやだっ。もーやめてー。

と、心中絶叫しつつ、一気読み。
このヒリヒリ痛い感じ、結構、好きです(笑)。
何がいいって、情景や心理描写が美しいんだよね。

前作「キングの死」が気に入っていたので期待してたけど、
まぁ・・・裏切られはしなかったかな。
ただ、こんなに不幸な家族関係って、あってもいいのか、と思った。
お互いへの愛情があっても、とことんすれ違う・・・。

これ、絶対ミステリとは呼べません。
犯人は、想像もつかなかったけど・・・。
結末、ちょっと、ほんと、他になんとかならなかったのか?

私なりにメッセージとして受け止めたのは、
非常に厳しいようだけど、「弱さは罪である」ということ。
自分自身「弱い」人間だという自覚を持ったうえで、そう思った。

弱さは時に美しく見えるけれど、
結局、自分以上に、自分の愛する人を傷つけるのだ。
そして、そのことを本当の意味では自覚していない。
ひとりよがりで、究極のわがまま。

だからといって、簡単に人間の弱さを否定はできないのだけど。

アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀賞受賞作。

(2010.7.4)


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ご訪問ありがとうございました。
ハートはとてもいい作家だと思います。
最新作の「ラスト・チャイルド」も本作以上に長いですが、読みごたえありの家族の物語です。
おすすめいたします。

また寄らせていただきます。
2010.09.10 18:15 | URL | Ksbc #- [edit]
Ksbcさま、ごていねいにありがとうございます。
記事・・・わざわざ探して下さったのですね。

「ラスト・チャイルド」、時間が出来次第読んでみます。
そうですね。ジョン・ハートのテーマは「家族」なのですよね。
作品に漂うやや重苦しいけれど繊細な叙情性に魅力を感じます。

いつでも遊びに来て頂けると嬉しいです。
2010.09.10 18:40 | URL | 彩月氷香 #- [edit]


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  • 川は静かに流れ  ジョン・ハート
  • 2010年07月12日 (月)

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