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戦火のバグダッド動物園を救え  ローレンス・アンソニー  グレアム・スペンス

Posted by 彩月氷香 on 22.2017 未分類   0 comments   0 trackback
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早川書房
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ああ、無謀!でも動き出せば何とかなるものだ!? 

こんなに面白くていいのかというくらい面白いし。
毎ページ毎ページ、びっくりするし。
著者の行動力、凄過ぎませんか。
なんとも無謀。ご自分でも度々嘆いておられますが。

なのに、ちゃんと彼の意志は通じて行くんだな。
それにしても。それにしても・・・

私だったら「気持ち」はあっても、へこたれる。
動く前に心が折れていると思う。
そして度重なる解決不能(に見える)な問題に挫ける。

それを。著者は。
「とにかくやるしかない」の精神で乗り越える。

ただ動物愛護家が動物を救う話、ではない。
人種問題、社会問題、そこからこぼれ落ちる感情。
敢えてすくいあげはしないけれど、きっちり描かれている。

深く掘り下げずに話は進んで行くが。
一瞬の目線の中に「哲学」や「道徳」がある。
悩み過ぎて身動きが出来なくなりそうな局面でも。
現実的に対処して進むことを選ぶ著者の強さ。

文章にする上で切り捨てたであろう葛藤の重みを想う。

この惑星を救う戦いはまだ終わっていない。その兆しすら見えていない。

あまりにも哀しく理不尽な事件の後の彼の言葉だ。
彼は自分の仕事はちっぽけだと言いながら、
「あってはならないこと」から人間を救おうとしている。

そう。彼は動物を救おうとしているだけではない。
動物を殺してしまう人間の人間性を救おうとしている。
むしろ、そちらが主軸だと言ってもいいくらいだ。

冗談や洒落でなく、「惑星を救う」気概を持っている。
それが可能だと信じているわけでもなくて。
それをやらねば、と思っている。
無理と承知でも、できることを自分はやろうと決めている。

動物園の動物を助けるよりも先にやることがあるだろう、と。
そういう意見があることは当然、彼も承知だ。
ただ彼のこの問いが、彼の行動の動機を物語る。

人間の愚かさの代償を命で支払うのは、いつもほかの生き物なのか?

いえ。人間が人間の愚かさの犠牲になる例も尽きませんが。
それだからと言って、この問いの重みは減りません。

(2017.1.2)
著者の優しさに、着実な行動が伴うところに感嘆させられた。
心優しい人は、その優しさゆえに立ち止まってしまうことが多いのに。

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  • 2017年02月22日 (水)

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