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選んだ理由。  石井ゆかり

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ミシマ社
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私も。やってみたいかも。「闇鍋インタビュー」

ウェブ雑誌に連載されていた「石田ゆかりの闇鍋インタビュー」
それに大幅に加筆修正したものが本書だそうです。

なんと、石田さんがインタビューする相手を知らずに、
対面していきなりインタビューするという企画。

予備知識や先入観がない、っていうことは。
私は大きな財産だと思っています。

ですが。さすがに。
話す相手のことをまったく知らずにインタビューとは!
面白さ、新鮮さ以上に恐怖感が・・・

だけど。「知らない」ということの値打ちが。
本書を読んでいても確認できます。

「知っている」ことの良さも勿論、多々あります。
ただ私は「知らない」で「出会う」ことが好き。

ううん。違う。予備知識では「知った」ことにはならない。
だけど「知っている」つもりになる。それが嫌なのです。

そして。「聞きかじった」ことは。
もう二度と「新しく」はならない。絶対に。

「知っていた」つもりが「知らなかった!」という
驚きに変わることはありますし。
それも「出会い」ではありますけれど・・・

石田さんも言っていた気がするのですが。
臆病な人間は前もって得る知識に「負ける」のです。

知っていたら、会いには行けない。
知っていたら、挑戦できない。
もしくは、準備しても準備しても不安で。
空回りした揚句、ドタキャンしてしまう。

知らないから、「会いに行ける」のです。

私は本を読むのでも、映画を観るのでも。
なるべく予備知識を入れないようにしています。
評判や感想が、読むきっかけにはなっているのですが。
その「内容」は決して頭に入れない。

なんかコレ、良いらしい・・・くらいに留める。

おかげで、嘘・・・こんな怖い話だったの!
ええ・・・辛すぎる!残酷!
やだ・・・難しすぎて理解できない!
ミステリーと思ってたのに純文学だった!
ノンフィクションなんですか!!!

とかいう、トンデモナイ勘違いが多発します。
もはや才能とも呼べる域です。

たぶんね。私にとって世の中の作品たちは。
「内容を知っていたら読まなかった、観なかった」が、大半。
「許容範囲」の狭い人間なのです。怖がりなのです。
「いつもと同じ」が安心できるのです。
冒険なんてしたくない! 

だけど。知らなかったから「出会えた」ものたちは。
ほんとに、ほんとに「会えてよかった!」というものばかり。
だから私はなるべく「知らない」でいよう、と決めています。

でも。知らない相手に会いに行くのが怖くないとは言えない。

知ってても怖いし。知らなくても怖い。どちらにしても怖い。
だけど、知らない方が好き。それは性分としか言い様がない。

会わずに「知れる」はずなんて、そもそも無いんだから。
会ってから精一杯「知る」努力をしよう。
私はそう思いますが。

会っても「知れる」はずはないんだから。
会う前に「より知る」ための下準備を精一杯しよう。
そう思う人がいるのはよくわかります。

どちらが正しいわけでもありません。
「向き」「不向き」の違いなのでしょう。

私は「頭」が休んでいる状態の方が「鋭い」タイプ。
頭が回転しだすと、ろくなことになりません。
他人よりも先に「気付く」ことが多い人間なのですが。
これは「考えて」気がつくわけではありません。
ほぼ直感、です。そして直感が働くには頭は寝てる方がいい。

さてさて。
本の紹介とはかけ離れた迷惑な自己分析が長くなりました。
話を本の感想に戻しましょう。

石田ゆかりさんは、ひとことで言うと感性の鋭い人。
その鋭さは相手のことを知らない緊張感で研ぎ澄まされます。
ゆえに、とても面白い、わくわくするインタビュー集です。

タイトルの「選んだ理由。」は。
石田ゆかりさんがインタビュー相手に投げかけた質問。
「なぜ選んだのか」・・・その道を。その職業を。その相手を。

人は何度も岐路に立ち、「選ぶ」ことを積み重ねて「今」に至る。
「選んだ」自覚もないままに・・・という私のような人間や、
「選べる道がなかった」という人もいるでしょうが。

でもやはり、選んでいるはずなのです。
選ぶことにどのくらい意識的であったかはわかりませんが。

引用したい心に残る言葉がありすぎて。
うーん。どうしよう。キリがないので、ひとつだけ。

長くなりますが本書のテーマである「選ぶ」に関連している言葉です。

 「縛られない」のが自由なのではない。真の「自由」とは、いつでも何かに縛られることができる、ということなのだ。
好きなものと自分をしっかり結びつけておく。そして、その結びが解かれることを、恐れない。新しい結び目への希望を、いつも失わずにいる。そういうことが、「自由」なのではないか。
 仕事でも、恋愛でも、子どもをつくることや住処を持つことでも、介護生活に入るようなことでも、なんでもそうなのだが、私たちは「自分を縛るもの」を選ぶ。世の中にたくさんある選択肢の中の「どれになら、縛られてもイイか」を選んでいるようなところがある。
 でももし、「縛られる」ことからいつでも「抜け出せる」としたら、どうだろう。
 「縛る」ことより「ほどける」ところのほうを考えたとき、何を選ぶべきか、見えてくることがあるのかもしれない。いつでも「ほどける」ことを受け入れられるなら、もっと自由に好きになれるし、選べる。
 もちろん、この世の中では、私たちはちっとも守られていなくて、「ほどけた」ときにどうにもならなくなってしまうこともある。
 それでも、「わからない」ことや「はなれていく」ことを受け入れられる自分を信じられるなら、もっと自由に、ゆたかな選択ができるのかもしれない。


あと。著者がインタビューした相手のどなたかの言葉も幾つか。

「かっこいい」の裏側には「憧れ」がある。
「かわいい」には「憧れ」はない。

「かわいい」よりも「かっこいい」のほうが遠くにある。
手を伸ばしても届きそうにないところに、それがある。
だから、憧れる。

私の場合は「かっこいい」より「美しい」ですけれど。
「かわいい」に癒されても、「かわいい」じゃダメなのは。
同じような考え方かなぁ・・・

あ。違うかな。「かっこいい」よりも「美しい」は遠いかも。

でも。ツッコミを入れるなら。
「かわいい」に憧れる人もいますよ。
ていうか、何でも「かわいい」と表現される世の中ですよ。

だけど。
「かわいい」すら手に届かないと感じるとしたら哀しいような。
いや、「かわいい」は今ではレベルアップして高次元なのか。

うん。でも。私個人に限って言えば。
「かわいい」は飽きるけれど。「美しい」は飽きない。
そして本物のかわいさには、「美しさ」「格好よさ」も含まれる。

以下、ゆかりさんの言葉なのか、インタビュー相手の言葉なのか、
ええっっと・・・すみません、不明になってしまった言葉たち。

 多くの人が、「やりたいこと」を探す。「何がやりたいか解らない」と悩んでいる。でも、本当に見つめていなければならないのは、「やりたくないこと」なのかもしれない。自分の中の「NO」を知っていることが、羅針盤となるのだ。

「できるようになってから、やる」という道筋をたどれることなど、ほとんどない。
私たちは、できない状態のまま、新しい世界に飛び込んで、それで、できる自分に出会っていく。その出会いは、待っていても、誰かに頼んでも、つかめない。

ゆがんだムラのある線ほど、個性的に見える。
個性というのは、ゆがみなんです。
人間が個性的だというのは、ゆがんでいるということなんです。
だから、人として個性的になりたかったら、人間的にゆがめばいいんです(笑)
「選べない」あなた(私)への、ヒント。

個性みたいなものを、無理矢理つくればつくるほど、
ヘンなものになっていくんですね。
むしろ、個性をなくしてって最後に残ってるものが、
なんというか、自分らしさ、なのでは、と思うんです。


(2017.3.6)
ちなみに。周知のこととして書きませんでしたが。
知らない人もいるかもしれませんので補足いたしますと。
石井ゆかりさんは女性に圧倒的人気の占星術者です。
占いが当たる当たらないというより、言葉のセンスが秀逸で。
私も著作やツイッターを(最近はライン)愛読しています。

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  • 2017年06月20日 (火)

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