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『罪の声』塩田武士

4062199831
講談社
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いまなお、忘れえぬ……

グリコ森永事件。よく覚えている。
たぶん。この作品の評価は。
あの事件をリアルタイムで知っているかいないかで。
ずいぶんと違うのではなかろうか。

一連の事件の起きた場所は自分の生活圏内だった。
徒歩で行けるとか、すぐ近くではないけれど。
あ。あそこだ。とわかる、知っている場所ばかり。

記憶が物語の印象を強くしたかもしれない。
思い出と結びつくことで臨場感が濃くなった。

まぁ……だから。
公平な評価はできないのかもしれない。
私は好きでした。面白かった。

以下、読後のつぶやき。

塩田武士「罪の声」読了。読み始めてすぐ、たくさんの記憶が甦った。題材であるグリコ森永事件にまつわる事柄はもちろんだけれど、それ以上に当時の時代の空気が濃厚に立ち上ってきた。舞台となった場所の大半が身近過ぎるせいもあるのだろう。そして、あの頃の私は新聞を隅々まで読む子供だった。

新聞がまだ。メディアの中で君臨していると言えた時代だった。私が目に入る文字は全て読まずには気が済まない活字狂だった時代でもあった。生きるのが辛い時代でもあったけれど、不幸でもなかった。懐かしむ気持ちは湧かないけれど、その時代を生きたことを否定したいわけでもない。

だいたい。「しょうがなかった」とか。「まぁそんなものでしょう」で流してしまいそうになるのだけれど。それができない生き方を強いられた子供を描いているというところがこの作品の良さだと思う。結果、お涙頂戴要素が強過ぎるとか、話が出来過ぎと評されても仕方ない面もあるのだけれども。

うん。でも。私は面白かったし。好感を抱いた。なんだかんだ言って、自分の過去の中でも忘れようとして成功している時代の出来事だったから。思いがけず再会した幼い(けれど生意気)な自分の記憶の濃度を読後息苦しく感じ続けているけれど。・・・って、本の感想からはすでに離れてしまっているな。

そんな予定ではなかったのに、里帰りしちゃったみたいな。帰るつもりはなかった家に辿り着いてしまい、戸惑っているみたいな。


(2018.4.6)
初めましてな作家さんでしたが。
この雰囲気だったら、他にも読んでみたいな。

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時々、写真や雑記も。

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