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『ききがたり ときをためる暮らし』つばた英子 つばたしゅういち 水野恵美子 落合由利子

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自然食通信社
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楽しくないと、長続きしない。

「人生フルーツ」という映画を観て。
つばた夫妻の暮らしぶりに憧れた人は多いでしょう。

畑で様々な野菜、果物を作り、
出来る限り生活に必要な物を手作りする。
雑木林に囲まれたお宅も、とても素敵。

スローライフ推奨っていうわけではないんですね。
最終的にそこに行き着いたというのが正しいかも。

だって。夫も妻も、かなり個性的ですよ。
その上、似たもの夫婦ってわけでもない。

晩年のお姿が、可愛らしく絵になる夫婦なので。
その点を過剰にクローズアップしてるところはある。

英子さんの立場になってみたら。
現代の女性だったら、とっくに離婚してるでしょ?
稼ぎを趣味のヨットにつぎ込み、
冠婚葬祭は一切、拒否。貯金ゼロ。常に借金生活。

それを「わがまま」「横暴」と捉えずに。
夫を支えることを当然と思えた英子さん。
ちゃんと(というのもおかしいけれど)幸せで。

理想のモデルでもないし。
憧れっていうのも違うな。
形を真似しても似ませんよね。

手作り生活の内容についても。
全面的に賛成っていうわけでもない。
英子さんは冷凍命ですが、私は冷凍が苦手なんです。

あ。でも、ひとつやってみたいアイデア、あった。
苺や無花果を、収穫したらグラニュー糖をまぶして冷凍。
食べたい時に凍ったまま土鍋に入れて煮るというジャム。

さっと作って。食べ切っちゃうんですね。
これは、いいなと思います。
保存を考えなければ、甘さ控えめに出来るし。

夫妻の暮らしぶりに批判的な意見も結構みかけて。
こんな暮らし、やりたくても出来ない、っていう。
うん。出来ないでしょ、ふつう。出来なくてもいいし。

自分のできる範囲で自分のしたい暮らしをする。
自分にとって何が大切か、だけ知っていたい。

英子さんも、修一さんも。
それぞれ、「思想」「信念」がありました。
最終的に。良いハーモニーとなっていったと感じます。

暮らしぶりというより。
心映えを見習いたい。

でも。気持ちだけでもダメで。
やはり、相当「頑固」じゃないと貫けないな。

心の背骨の支柱になるエッセンスに溢れた本です。

以下。ひでこさん、しゅういちさん、の言葉の引用。
英子さん語録(勝手にまとめました)

 うちは嫌なこと、悪いことを口にするのは禁句ですから、いつも先の先のこと、楽しいことを考えて生きてきたの。不思議だけれど、すると人生はだんだんとよくなっていくんですよ。

 人間って、動ければ動くほど、動けるようになるんですよ。疲れやすく、病気がちだった私がこんなに丈夫になったんですからねえ。

 小さい頃から一流のものを見ていれば、いいものが自然とわかるようになりますからね。

 見るということは自分の体に貯め込むこと。

 ヨーロッパを見本にすればよかったのに、アメリカを見本にしちゃったから・・・日本みたいに小さな国は、アメリカを見本にしていたらダメよね。

 パトロンがいるとか、お金とは無縁な、そういう人たちがたくさんいることが、豊かな文化が育つことになるのですが、難しい時代ですよね。大量につくられる安価なものばかりを着ていたら、世に残るものも、つまらないものになってしまうんじゃないかしらと思うの。

 母によく言われていたことは「女はいくつになっても、可愛くないといけない」と。いつでも笑顔でいなさい、憂鬱な顔をしてはいけないって。だからなのか、私はあまり憂鬱になることはないんですよ。一年を通してわりと、ルンルンという感じ。これじゃイヤ、という感情がないの。

 とにかく、自然に逆らった暮らしはしたくないと思うのね。便利さだけを求めずに、少ないもので、シンプルに生活したいですね。

人の影響は受けていませんよ。人と同じことをしたらダメって思っているから。人間は一人一人がもっと個性的でないとダメだと思う。みんな、たくさんの可能性を持っているから、若いときにそれに気づくべきだと思うんですよ。自分のやりたいことに気づいて、コツコツやっていかないと。やっぱり次官がかかると思うの、いろんなことが。(中略)思い続けて、それに向かって少しずつ実現していくことは大事なんですね。

何もわからないまま流されて、「右と言われれば、みんなと一緒に右へ行く」というのではなくて、自分に具わった感覚で、物事を判断していこうと。

彼の哲学と、私の哲学は、ぜんぜん違います。でも、お互い世の中の常識には流されず、自分の感性でいいと思ったことを続けてきた、そういうところは、二人とも合っていますね。遠いところを見つめる二人の方向は一緒だったというわけね。



修一さん語録(勝手にまとめました)

とにかく物事は、楽しくないと長続きしないですからね。

何度も繰り返すことで、自分なりのやり方やコツがつかめてくる。僕はね、何でもまず百回を目標にしています。ときをためる暮らしの目標ですね。

やはり、自分の暮らしをつくるために、世の中と不必要なやりとりをたくさんやっていると、いつの間にか流されてしまう。

英子さんの言葉が圧倒的に多いですが。
性分的には私は修一さんの方に近いかもしれません。
いや、どっちも遠いか・・・

距離感の問題ではないな。気質かな。
だとしたら、私には英子さん要素は無いかなぁ。

(2018.5.9)
水上 勉「土を食らう日々」はお二人とも好きな本だそう。
えっと・・・私、読んでたっけ? 読んだような・・・

エクセルに入力してデータ化した読書記録を検索してみると。
2008年の10月に読んでいました。うーん。内容忘れてる。

ちなみに読んだ本のタイトルと著書名はほぼ完璧に記録してます。
(実は最近、書き漏れが何冊か見つかって・・・99%かな)

感想ノートもあるんですが、こちらは書いたり書かなかったり。
でも、年度から言うと、書いた可能性は高いな、と。

探したら、驚いたことに5分で見つかりました。
この頃の感想は、当ブログにも幾つか転載していますね。
転載したものにはマルがついていました。

肝心の「土を食らう日々」の感想はあっさりしたもの。
水上勉をもっと読んでみようとその時決意したらしいですが。
実際に、その後手にした本は「櫻守」のみ。
思いがけぬところで出会った記念に、今度何か読んでみます。

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2018.09.23 01:12 | | # [edit]
あのニュータウンの設計に関しては。
修一さんは自分の思った形で実現できなくって。
ずーっと。無念だったんだろうなと思います。

彼が設計したとおりになっていたら。
全国のその後の住宅開発のいいモデルになったかもしれない。

この夫婦、どちらも大きな声はあげないけれど。
世の中の流れと違う考え方が出来た人で。
静かに、それを実践して生きておられるんですね。

そうなんです。ほんと、上品でしたね。
他に、似たようなことをやっている人もいるはずですけれど。
こういう佇まいは、見かけませんね。

お家が映像で観たとき、とてもとても素敵で。
近くだったら、私、こっそり観に行っちゃうかもしれないです。
2018.09.23 10:23 | URL | 彩月氷香 #- [edit]


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  • 2018年09月22日 (土)

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