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『キラリと、おしゃれ―キッチンガーデンのある暮らし』津端英子 津端修一

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ミネルヴァ書房
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男の身勝手五十年の幕開け。

映画「人生フルーツ」で津幡夫妻に憧れた方は。
本書は読まない方がいいかもしれません。
正直、幻滅する人が多いと思います。

「男の身勝手五十年」と妻の英子さんは、
なんどもなんどもなんども繰り返します。

そう口にしてもバチは当たりません。
本当に、修一さんは自分のしたいように生き、
英子さんはそれを支える苦労の連続の結婚生活。

たぶん。私は耐えられない。

その耐えた日々が無駄ではなかったと。
辛かったはずに日々の中にも輝くものはあったと。
それはうっすら感じ取れるのですが。

それでも、渾身の「恨み節」がチラチラ覗きます。

修一さんも頑固ですが。英子さんもかなり頑固で。
意志の強さ、こだわりの強さは読んでいて少し息苦しい。

同じことを何度も。何度も。何度も。
ああ・・・しつこいなぁと読んでいて感じる。
しつこく書かずにいられなかったのは理解できるのですが。

良い本とは言えません。
冒頭の「本書へのメッセージ」も気持ち悪い賛辞の列挙。

生き方、暮らし方という点で。
学べるところは、拾えばたくさんあります。
それでも、全体に漂う「ちょっとイヤな空気」に負ける。

私の肉親愛が薄いだけかもしれないけれど。
英子さんの孫への執着も異常に感じられてしまう。

英子さんは与えられた人生を。
間違いなく「よりよく生きた」と言える人で。
今まで「素敵な人だな」と思ってきて。
その気持ちが変ったわけではないのですが。

得てして。
舞台裏は「見せ過ぎない方がいい」ものです。

映画で見ても感じ取れた苦労。
それを本人があからさまに口にしてしまうと。
やはり・・・なんだかね。なんだかね。

別に。聖女として崇めたいわけでもなし、
生身の人間らしさは歓迎なんですけれど。

うーん。
単純に。これは書物として成り立ってない。

ほんとのことだからいいでしょ。
本音だからいいでしょ。
正直だからいいでしょ。

それは・・・読者に失礼なのではないか。

自ら読み返してみて。
こんな具合の本はよろしくないと気付けないのは。
ちょっと・・・残念だな。だいぶ、残念だな。

節度っていものは必要だと思うのです。
(あ。あ。私にも欠けがちな点ですけれど・・・)

同じエピソードが同じ本に3、4回も登場、
同じ台詞のリピート率の異様な高さ・・・というのは。
プロの物書きでない事実を考慮しても、許容しがたい。

読む人の気持ち、考えてない。
(ま。ま、それも・・・私も自戒しまくらねばなりませんが)

晩年の夫妻の暮らしぶりは本当に素敵ですが。
そうしたくても出来ない人の気持ちに棘を刺す面がある。

「男の身勝手五十年」にせよ、苦労話の連続にせよ、
英子さんの嫁入り前の思い出話にせよ。
書き方が違ったら、すごく「よい気持ち」で読めた気がする。

内容よりも、表現方法の問題が大きいですね。
なんとも、残念なことです。

英子さんが文学少女なのがわかったのが微笑ましく。
どれほど我儘でも、しゅういちさんの人柄が憎めず。

なんか。私は前より、しゅういちさんが好きになり。
少しだけ、男であることが羨ましく感じました。

(2018.)
ききがきとして出版された夫妻の本の方が、
読み心地よく、楽しく、爽やかなのですが。
これを読んでしまうと、ちょっと疑いの目で見てしまう。
夫妻が築き上げた暮らしぶりは本物で。それだけでいいのかな。
それ以外のところまで見るのが、そもそも間違いかな。
映画の感動を消されたように感じてしまうのは、
それこそ「傍観者の我儘、五十倍」なんだと思います。
英子さんの「本物志向」ぶりが全体にちょっと重い。
本当は。その点こそ見習いたかったはずなのに。
それは「育ち」ゆえのもので真似ようがないと。
そう気付かされた無念が反感に化けたのかもしれません。

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  • 『キラリと、おしゃれ―キッチンガーデンのある暮らし』津端英子 津端修一
  • 2018年10月29日 (月)

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