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『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』米原万里

4043756011
角川文庫
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人の心だけに棲む真実。

そんな。そんな。そんなことって・・・
読みながら、何度も絶句した。

バカな。バカな。理不尽な。

表題にもなっている嘘つきアーニャは。
万里さんの友人なのだが。
自己を守るために自分を上手に騙せる人。

こういう人間を見ると心底ゾッとするが。
だから単純に彼女を憎んだり批判できもしない。

ある意味、スケールが違うだけでよくある話。
それは人間は自分の見たいものしか見ないということ。

万里さんは違った、というのも言い過ぎかもしれない。
万里さんも自分の見たいものを見ようとしたとも言える。

でも。それは「自分に都合のいいこと」ではなかった。

万里さんが泣いていないのに。
私は読みながら何度も泣いてしまった。

苦しかった。
あまりにも鮮明に見えてくる心の景色。
怖い。哀しい。救いがない。許せない。悔しい。

こんなにも「見えて」しまう人は。
生きるのがとても辛いだろうと思った。

それは私の余計なお世話で。
万里さんは自らの鋭い感受性と洞察力に押し潰されることなく。
強かに鮮やかに生き切ったのだろう。

でも。もっと長く生きていて欲しかった。

私たちが今見ている景色を。
彼女がどんな風に表現したかを読んでみたい。

(2018.5.10)
一見骨太に見える、きっぱりとした彼女の文章。
力強くて、疾走感があって。うん走っている。
けれど。とてもとてもとても繊細で。
伝わってくる気配や振動が私の髪の先まで震わせるようで。
感嘆と憧れで痺れながら読み終えました。
万里さんの友人三人の中では、ヤースナが私は好き。
ていうよりもヤースナのエピソードに心が救われる。
それでもやっぱり猛烈に切ないけれど。

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  • 『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』米原万里
  • 2019年06月04日 (火)

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