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『美男へのレッスン』橋本 治

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中央公論社
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悔しいほど面白く、やがて息切れ。

読み終えた本が。
付箋で膨れ上がっておりました。

端的に言いますと。
内容は「屁理屈が踊る」です。

こういうの大好き〜
マネしてみたいくらいだけど。
私の屁理屈くらいじゃ、こんなに長く踊れないかも。

思うに。ふつうの人も長時間は踊れる。
それは一晩中、盆踊りを踊る感じで。
多少の振り付けやノリや曲の変化はあっても。
基本、ずーっと、同じことをやっている。

ま。盆踊りも達人レベルになると。
延々と踊っても、観客を魅了できるわけですが。
(こういうタイプの踊り手さん(書き手)も多い)

橋本さんは違う。
盆踊りも踊るが、タンゴもサンバもフラダンスも、
社交ダンスも、バレエも、ヒップホップも踊る。

だから、見ていて飽きない。
だけど、衣装と顔は変ってないから、なんかオカシイ。
そして、一貫性はないようでちゃんとある。

しかし、どの踊りもその道のプロからは眉をひそめられそうで。
じゃあ下手かというと、上手い。

という、非常にわかりにく比喩は置いといて。
もう少しひらたく説明いたしますと。

「美男とは何か」を延々と語り続け。
「だから、結局、美男てなんなんだよー!」
……と、読者に絶叫させるであろう「美男論」です。

面白いんです。目から鱗が落ちるというより。
目から飛び出した鱗が乱舞して、眼の前が花吹雪、みたいな。

美の基準は変化する。時代とともに。
それはまぁ、ありきたりな話。
しかし、洞察の鋭さと見抜いたものの表現法は非凡。

説明が難しいな。
ものすごく真面目な文化論として読める部分も多々あり。
「は?は?はぁー?」と意味不明になる部分も少々あり。

ただ、とにかく。頭の中は読んでいて忙しい。
クルクル回る脳内の景色にワクワクする。

随所で。
「そうそうそうそうそうだよ!」と首を縦振りし。

時々。
「んんんんん……?」と首をガクッと傾げ。

度々。
「ちゃうちゃうちゃう!」とブンブン首を横振りし。

ええ。頭の中と同時に首も忙しい読書でした。

どんどん進んでっちゃうんだもんなぁ。
調子はふざけているけれど。
ギクッとするような鋭い指摘があって。

でも。チャラチャラ〜、ラッタッタ〜!と通過して行く。
スキップしてるみたいに。リズムがね。
時々、ワザとコケてイテテとやる過剰なサービスつき。

ご自身の前言を撤回してるのか、展開してるのか。
それとも転回しているのか。放り投げているのか。

続いているようで続いてないような。
いや。途中までは細部には異論もありつつ。
その繋がりの糸が見えていたのだけれど。

最終章あたりから、糸が切れて飛んでった感があり。

あ。見失った。
え。飛んでったと思ったら、ブーメラン式に帰って来た。
あ。足元に落ちて来た。

……みたいな。

(2018.8.23)
いやぁ。楽しかった。読んでいる間のライブ感が。
最後に「知性は、それ自体が美である」って言われると。
ちょっと、つまらなくて。それを見越したように添えられた、
「あるいは、なーんだというような話」で終わっちゃった印象。

「美しさ」をなぜ人は求め、何を「美しい」と感じるか。
「美の基準」はわかるようで、わからない。明確ではない。
その対象を「男」というものに限定したところで正解などない。
「これが美男です」と言って、万人が納得できるわけがない。

美男を語りながら。「自分の顔を持て」と連呼する著者。
きっと。マジメな人なんだろうね。たぶん。
本気でふざけるというのは偉大な才能のひとつで。
それが出来る人は恐ろしく真面目な人なんだ。

……とか、真面目にまとめちゃってゴメン。
(という気分になる本でした)

読みつつ貼った付箋、85枚!
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  • 『美男へのレッスン』橋本 治
  • 2019年02月14日 (木)

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