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錆びる心    桐野夏生   

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文春文庫
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表題作を含む6篇を収録した短編集。

◆「虫卵の配列」
作中の一節がこの一篇の要約になっている。
それにしても、何という精緻で魅力的な妄想だったのだろう。

◆「羊歯の庭」
自らがナイーブだと信じている人間ほど、おそろしく利己的である・・・。

◆「月下の楽園」
荒れ果てた庭に病的な執着心を抱く男・・・。
人が何を好むか、って不思議なものだ。

◆「ネオン」
ヤクザってハタ迷惑だけど、物悲しく滑稽で面白い。

◆「錆びる心」
タイトルがいい。生活について考えさせられる。
10年がかりで準備した復讐が描かれるのだが、奇しくもそれは、
自分自身を10年がかりで腐敗させる結果を生み出しているように思う。
相手よりも、自分を多く、損なうものだと・・・。
主人公の絹子の夫への復讐よりも、彼女の意地が生み出した、
完璧な主婦ぶりが私には強く印象に残った。

妄想、妄執、憎しみ、歪んだ愛・・・。
人間の心の奥底に潜むものは、怖くて、醜くて、そして、妙に魅力的。

(1999.1.17)


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  • 錆びる心    桐野夏生   
  • 2010年09月14日 (火)

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