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三月は深き紅の淵を  恩田 陸

2010.12.05 恩田 陸   comments 6
4062648806
講談社文庫
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「三月は深き紅の淵を」というタイトルの本がある。
作者不明の自費出版で転売禁止、人に貸すときは一晩限り。
その、謎に包まれた寄稿本を巡って、4つの異なる話が展開される。

洒落た謎ときかと思わせて、徐々に不気味な色彩を帯びてくる。
何が現実なのか、読者を撹乱するように、物語は時には重なり、
また、ズレて横滑りし、ぐるぐると踊るような足取りで紡がれていく。

初・恩田陸だったのですよね、この本が。
はっきり言いましょう。チョイスミスでした・・・。
他の本を読むつもりだったけど図書館になくてね、
何となくで選んじゃったんです。

4部構成の、第3章までは、面白かったんですよ、すごく。
夢中で読みましたもん。奇妙な味わいと微妙な毒々しさも、
私はかなり好きな感じでしたし。

ですが、第4章でぶちこわし~。

やり過ぎです。私の勝手な意見ですけど。技巧を凝らし過ぎ。
ヘンな話や、ワケわかんない話が得意(!?)と自負してる私も、
ここに来て、ついていけなくなりました。

あーあ、どうして、そういう方向へ進むかなぁ・・・。

作者もどきを作中に登場させる、ってパターン、キライなのよ。
しかも、全然違う人の視点と並行するってね、最悪!
まったく物語世界に入って行けなくなり、
すっかり現実に戻ってきちゃいましたよ・・・。

で、イライライライラ・・・。
せっかく楽しく読んでたのに、著者から水を浴びせられるとは。

あああ興ざめだ~~!!!
なんで、こんなに、ぶっ壊しちゃうのぉぉ。

おぼろに著者の目指すものとか、意図がわからないではない。
要は、物語を永遠にしたかったのよね?
でも、明らかに~失敗だからっ!

ぜぇぜぇ、ハァハァ。お、落ち着こう。

ま、いいです。恩田陸のテイストは、何となくわかりました。
違う本でリベンジします。たぶん、結構好きだと思います。

さりげない心理描写の巧みさ、本にまつわる蘊蓄の豊富さ、
妙なところ(!)で力が入る感受性の発露・・・いい感じです。

文間から、彼女の多読っぷりが窺えるのも読みどころですね。
私だって負けるもんか~。(何故そこで対抗意識を燃やす?)
・・・と、しっかり文中に登場した、私が読んでない本を
チェックして、「読みたい本リスト」に追加しました。

えー。ちなみに。
マーク・マクシェーン「雨の午後の降霊術」
ジョン・ファウルズ「コレクター」
ロレンス・ダレル「アレキサンドリア・カルテット」
植草甚一「雨降りだからミステリーでも勉強しよう」

最後のは読んでますが。再読したいなぁと。

余談ですが、解説が皆川博子さん。なんとまぁゴージャスな。

(2010.11.30)
どーでもいい話ですが、本書の中に私の本名と同じ名前の人が
出て来まして。いや、ちょっとビックリしました。
私の名前、かなり珍しいので・・・といっても、著名人や
文化人、芸能人に稀には存在するんですが、小説に登場したのは
今回初めて見ました。現実にも同名の人に会ったことないんです。

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わ~どこにこんな素敵なテンプレートが?
私、早くクリスマスバージョンにしたくて探してるんですが
あ。これにしよ!って思うとすでにご使用中の方が身近におられたりして。
このままじゃお正月になってしまふ。

私、恩田陸、未経験でございます。
古いものばっかりに愛を注いでいるといけませんね。

で。恩田陸さんって、女性だったんですか!?
ああ。すでに私、化石だわ。。。
でも、彩月さんのこの感想を拝読し、これは読みましょう、と思いました。
多分、私もその部分は嫌悪する可能性大ですが。
何より、「彩月氷香さんを探せ!」が楽しみ^^

植草甚一「雨降りだからミステリーでも勉強しよう」懐かしいですね。
2010.12.05 10:37 | URL | はーちゃん #jjURaDtE [edit]
恩田陸さんの本、私は『6番目の小夜子』から入りました。
確か、ドラマ化か映画化されたお話だったと記憶しています。

恩田さんの本って、作風が多彩だと感じます。
不思議な話が多いとは思いますが・・・

嫌いじゃないです♪

ご紹介の本は未読なので、今詰まれている本が
片付いたら探してみます。

ありがとうございます。
2010.12.05 10:49 | URL | ちゃっぴ #- [edit]
私、テンプレートは、作者さんに注目して探すんです。
好きなテンプレート作家さんが何人かいるのです、へへっ。

このテンプレートは、とても出来が良くて、
ほぼ訂正なしで使えましたよ~。バランスがいいんですね。
あ~、でも自分で作れたら一番いいのになぁ。

恩田陸さん、ちょっと屈折感があるのが好きな感じです。
私的には第3章でいっそ終わって欲しかったよぉ・・・
はい、私を見つけたら、こっそり内緒話でどうぞ(笑)

植草甚一、きっときっと読んでらっしゃると思いました!
予測が当たって、嬉しいです♪ また読みたいなぁ。
古いものへの愛、私は逆にそこへ帰りたくもなるのですが。
なかなか、帰る暇がありませぬ。
(いつかは帰郷したいものです・・・)
2010.12.05 11:50 | URL | 彩月氷香 #- [edit]
はじめまして。コメントありがとうございます♪

『6番目の小夜子』も、読んでみたいですね。
恩田さん、長らく読まず嫌いしてたのを只今、反省中。
これから色々読んでいきたいなぁと思ってます!

不思議系は、結構好きなんですよ。
・・・読めたらまた紹介いたしますね。
2010.12.05 12:15 | URL | 彩月氷香 #- [edit]
「4章でぶちこわし」っていうのなんか分かる気がします。
あたしも自分のブログで似たようなことを書いてました(笑)
恩田さんもね~、かなり面白いのですがラストで「おい!!」といいたくなることがあります(^^;)
それでも好きですけどね(^^)
2010.12.06 08:56 | URL | igaiga #6.AaZ5Pk [edit]
ですよね、ですよね?
igaiga様も同意見でうれしいです~。
でも面白かったので、メゲズにまた読もうと思ってます。
が、他の作品でも同様な事態が起きると覚悟しとこう(笑)
・・・備えあれば憂いなし!?
2010.12.06 09:09 | URL | 彩月氷香 #- [edit]


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三月は深き紅の淵を 恩田陸 鮫島巧一は趣味が読書という理由で、会社の会長の別宅に二泊三日の招待を受けた。彼を待ち受けていた好事家たちから聞かされたのは、その屋敷内にあるはずだが、十年以上探...

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  • 2010年12月05日 (日)

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