FC2ブログ
Loading…
 

15メートルの通学路  山本純士

2010.12.30 未分類   comments 3
404386101X
角川文庫
Amazon


今年で一番、泣きました。よりによって、喫茶店で読んでたので。
涙は必死にこらえたのですが・・・そしたら鼻に来た(汗)。
ポケットティッシュ2袋を消費して、鼻をかみっぱなし、目が真っ赤。

病院の中の、学校の話。教師の書いた、実話です。

実は学校ものと病院ものは、なるべく読まない主義。
何故って・・・悲しいに決まってるし、しんどいに決まってるし。
私の過去にも深くかかわるので、避けてるんです。

短大まで出て、ひととおりの教育は受けました。
6・3・3・2で、14年。でも、ずっと学校が大嫌いだった。
登校拒否にも中退にもならなかったのは奇跡だと思うくらいに。
・・・その原因の一つは自分の病気でした。

先天性の肝臓病で、8歳のとき大きな手術をしました。
おへその上1cmくらいのとこに、横に一直線、
20cm以上の手術痕があります。

本を読んでて、病気の子供たちのエピソードが胸に沁みるのは勿論、
過去の自分のあれやこれやが、甦って泣ける、泣ける。

ぐるぐるぐる・・・史上最強な、ぐるぐるに陥りました。

で、思わず、語りだしそうになりましたが・・・。
ちょっと待てよ。彩月氷香の半生記じゃないか、これは。
え~。今回ばかりは、自重します。

と、言ったものの延々語ってしまいましたので(汗)、
お暇な方、心の広い方のみ、お進み下さいませ。

病気の子が、みんな頑張れるわけではない。
テレビドラマの感動もの、私、大嫌いでした。
病気に立ち向かえてない自分を責められている気がしました。

あんないい先生に、みなが恵まれるわけじゃない。
そのことも、いつもいつも思っていました。

「病気に甘えてる」と私に言った教師がいました。
内臓の病気は、外から見えなくて、理解してくれない人が多い。
体調がいい時は元気なので、「さぼり」「仮病」に見えやすいのです。
・・・信じてもらえず、親が診断書を学校に提出したこともありました。

病気が発見されるまでの数ヶ月も、「仮病」扱いされたのですよね。
当時はMRIが普及してなくて。私の病気は見つかりにくかった。

何も食べられず冷や汗をかいて苦しみ続ける私を前に、医師は
「この子はどこも悪くない。親が甘やかすからだ」と言いました。

母は、それでも私を連れて幾つも病院を訪れ続けました。
春から学校もロク行けなくなって、いつしか夏を迎えて。
ほとんど何も食べられず、近くの病院で点滴をしてもらう毎日。

血圧が急激に下がり始め、とうとう救急病院に運ばれました。
そこでも検査を散々した結果は、「どこも悪くない」。
親は「なんで、連れてきたの」と医師に叱られたんだって。
重病人ばかりが来る、一流の病院だったからね・・・

私、今も覚えてます。看護婦さんが、
「氷香ちゃん、どこも悪くないからお家に帰れるよ」って言ったのを。

検査をいっぱいした後で、私は病院なんてイヤだったから。
嬉しかったけど、また「私はこんな苦しいのに病気じゃないんだ」と。
嘘つき、って思われてるんだ・・・と。

その後、最後の最後に病気が見つかって。
急遽、手術が必要ってわかった・・・長かったよ、それまで・・・
手術後の闘病生活も、長かった・・・。いかん。やっぱ語っちゃった。

入院中も色々あったけど。私ね、実は病院大好きだったの。
友だちもできたし、お掃除のおばさんが遊んでくれてね。
学校キライだったから(笑)ずっと病院にいたかった。

その後も、さすがに口にはしないものの、
「病気になって入院したい」と親が聞いたら泣くようなことを、
しょっちゅう考えるくらい、病院生活が理想の生活でした。
一方で、お医者さんへの不信感も強く根付いていましたが。

大人になって体調も安定するようになって、ほぼ健康になって。
やっと、やっと見えてきたものも、たくさんあります。

自分で自分を「可哀想」と思いすぎてたよね~明らかに。
いや、それもわかってはいたんだよねぇ。
病気が治って、生きてて、普通に学校も行けて。
もっと可哀想な子が世の中にいっぱいいる、って・・・。

わかっているから、それなのに学校キライな自分が、
すごく間違ってるような気が、ずーっとしていた・・・。

はい、以上です。ま、結局、おおむね、ひととおり語ったよね~
ごめんなさい。でも、常連さんは、慣れてらっしゃるからいいか(笑)

で。肝腎な本書の内容は。
もうひとこと、泣ける。泣ける。泣ける。涙がとまらない。

山本先生が好き。なかなかこういう素直な感覚を持ってる人っていない。
出来過ぎじゃなく、熱血じゃなく。教えて貰った子が羨ましいなぁ。

病気の子に「頑張れ」は、いけません。とりあえず。

私・・・自分が恵まれてる、運が良かった、と今は思います。
大量の輸血をしたのに、それでトラブルなかったし・・・。
輸血のせいで病気になった人、たくさんいた時代だもの。

手術も上手だったようです。
数年後レントゲンを見た医師が感心していました。
下手すると「癒着」とか「合併症」がおきる場合もあるのです。

あの頃、今から見ると医療はまだまだな時代で。
私と同い年で仲良しだった女の子はね、
公園の遊具に巻き込まれて脚の骨を折ったの。

入院した病院(某市民病院)で、骨を曲がってくっつけられた。
明らかに医療ミス。素人目にも、脚、曲がってるのに。
「これでまっすぐです」と言い切られて退院。

で、私と同じ病院に移って来て、骨を切断して手術をやり直し。

今なら裁判ものでしょ。そもそも公園の遊具だって新聞沙汰でしょ。
でも、当時は、そんなの、泣き寝入りだった。
彼女は父親のコネで、いい病院に移れただけ恵まれていたとも言える。

その子のケガの原因になった遊具、今は存在しません。
同様の事故が絶対、幾つも起きていたのだと思う。

他にも、電車の連結部分で感電して、全身大やけどの男の子。
ミイラみたいに、包帯グルグルで、目しか見えなかった。
自分の皮膚の無事だった部分(わずかしかない!)を
移植するの・・・何度も、何度も。

それと、ひとつ上のお姉さんで仲良くなった女の子。
背中に太い注射してた・・・あれ、何の病気だったろう?
血液の病気だったと思う。すごく痛い注射で、見てて辛かった。

みんな、元気なのかなぁ・・・。

本の内容そっちのけで、自分の思い出に浸ってしまいました。
ほぼ、忘れていたことだったのだけど・・・。

ただ一つ、しみじみ自分の幸せと、現在に至るまでの、
親の苦労をしのんで、深く感謝の気持ちです。

大切なことを思いださせてくれた本でした。
思いだし過ぎて、かなり、ぐるぐるしましたけれど・・・
読んで、良かった。

(2010.12.28)
関連記事

いやはや良い話です、本当に。
赤裸々に辛い想い出を言葉にしてくれたことに感謝しています。

>入院中も色々あったけど。私ね、実は、病院大好きだったの。

この詞で、圧し掛かっていた大きな厚いドアが開け放たれて涼しい爽やかな風が一気に吹き込んでくるようでした。本そのものを読んだことはないけれど、彩月さんのこの告白だけで十分すぎるほどに僕の涙腺は刺戟されましたよ。

同時に、本を開き文字を追い続けることで得られる最大の悦びは、追体験ではなく、ひとえにそれぞれの人生における軌跡が物語と響き合うことにあるのだとつよく思いました。年の瀬に良い話を有難う御座います。
2010.12.30 21:19 | URL | 小泉宗次 #JyN/eAqk [edit]
さらっと書いた一行に、目をとめて下さったこと、
大変、嬉しく思います・・・

病院で過ごした日々は、私の記憶の中で、
とても美しい時間です。
辛いこともあったけれど、濁りのない澄んだ心と、
大好きな人々に囲まれた幸せな暮らしでした。

規則に縛られた生活リズムの中に、事件は次々起こって。
どちらかというと、ひねこびた性格の私が、
伸び伸び子供らしく、活き活きと毎日を過ごせた、
唯一の期間であったかもしれません。

お医者さまも、看護婦さんたちも、使命をもってらして、
(当時の私にそんな難しいことはわかりませんでしたが)、
夢と希望を持って仕事をなさってるような空気がありました。

お掃除のおばさんが、ビーズで編む花輪のような指輪の、
作り方を教えてくれたり、したものです。
厳しい大病院でありながら、意外と、のんびりしていました。

あの入院していた期間は、私にとって神様が下さった、
贈りもののように、思えます。

こちらこそ、小泉さんのコメントに、
心が洗われるような思いがしました。ありがとうございます。

明日の感想が、また違う方向に潜りこんでいて、
今日の感動を壊すかもしれません・・・ちょっと心配ですが。

2010.12.31 00:09 | URL | 彩月氷香 #- [edit]
彩月さん、

読んでくださって本当にありがとうございます。
そして、小泉さんも書かれているとおり、私も彩月さんの感想にウルウルしてしまいました。。

この本、娘の塾のテキストに問題文として掲載されていて、問題を解説しながら泣いてしまったという伝説(?)の物語です。

小泉さんの「人生における軌跡が物語と響き合う」という表現を素敵でしたし、まさに彩月さんの今回の感想はぴったり来たのではないでしょうか。

そして、彩月さんの「神様が下さった、 贈りもの」の時間、映像が私の脳裏を駆け巡っていて、また涙腺が。。。。。

年の瀬に心温まる感想、本当にありがとうございました。
この本を彩月さんに読んでいただいて、本当に良かったです。

さて、これが今年最後のコメントになるかもしれませんが、今年は大変お世話になりました。彩月さんとブログで出合ったことで、小説を読む歓び、文章を書く楽しさを一層満喫することができました。

来年もぜひよろしくお願いしますね。

速読おやじ@大阪
2010.12.31 13:41 | URL | 速読おやじ #JyN/eAqk [edit]


  • 管理者にだけ表示を許可する

trackbackURL:http://raffiner.blog70.fc2.com/tb.php/715-0b67ff8d

プロフィール

Author:彩月氷香

とにかく本が好き
読書感想がメインですが
時々、写真や雑記も。

*初めましてのご挨拶
*ブログタイトルの由来

このサイトはAmazonアソシエイトに参加しています。

表示中の記事

  • 15メートルの通学路  山本純士
  • 2010年12月30日 (木)

カテゴリ

カテゴリー 月別アーカイブ

 

***