FC2ブログ
Loading…
 

小暮写眞館   宮部みゆき

4062162229
講談社
Amazon

家族と、青春と、生と死と。
人間模様の温かさが、心をほのぼのさせる。
その陽だまりの底に、鋭い痛みが息づいている。

加害者はたいてい、普通の人間で。身近な人間で。
積極的な悪意がないことが、その残酷さをいっそう深める。

けれど何より自らを傷つけるのは、自分自身が育む想い。
消そうとすればする程、肥大していく哀しみと憎しみ。

失くした大事なもの、それに纏わる苦い思い出。
消えることのない悔いと不安と悲哀・・・。

誰にもきっと、忘れ得ぬ痛みはあるでしょう。
支え合う者どうしの愛情でさえ、時にはすれ違うこともある。

記憶の一部を凍らせることで、「無事」に暮らしていても、
いつか「解凍」しなければならない・・・どんなに辛くても。
目をそらし、「なかった事」にして「余生」を送るわけにはいかない。

大丈夫。何度も挫けても。何もかもを消したくなっても。
再生の時は、いつか訪れる・・・そう信じさせてくれる。

旅立ちの春のように。
憂いと晴れやかさの溶け合う、清々しい切なさ。
洗いあがった洗濯物の、翻る白さに目を細める心持ちにも似て。

(2011.4.8)
登場人物たちがとても楽しい。
私は、主人公の弟のぴかちゃんが好き。
こましゃくれた、自分の可愛さをよくわかってる、お利口さん。
悔しいけど、かなわない、無敵の愛くるしさ。
主人公の花ちゃんも、心優しい、しっかり者。
彼らの両親の言動、その変人ぶりもツボにはまって笑えます。
お母さん、ぐるぐるしちゃう人なんです。私と同じだ~。


関連記事

分厚い一冊も、なんだかんだとすぐ読めてしまいました。
そして、とっても幸せな気持ちになる一冊でした。
トラックバックさせていただきました。
2011.04.19 01:45 | URL | 藍色 #JyN/eAqk [edit]
ほんとですね~。
こういう気持ちになれる本、なかなか無いですよね。
優しい気持ちになれて。春にぴったりでした。
トラックバックありがとうございます。
2011.04.19 09:38 | URL | 彩月氷香 #b98C2Btc [edit]


  • 管理者にだけ表示を許可する

trackbackURL:http://raffiner.blog70.fc2.com/tb.php/925-9da8ecc2
物語のすべてが詰まった700ページの宝箱。もう会えないなんて言うなよ。 あなたは思い出す。どれだけ小説を求めていたか。 ようこそ。3年ぶり現代エンターテインメント。 700ページありとても長い...
2011.04.19 01:40 粋な提案

プロフィール

Author:彩月氷香

とにかく本が好き
読書感想がメインですが
時々、写真や雑記も。

*初めましてのご挨拶
*ブログタイトルの由来

このサイトはAmazonアソシエイトに参加しています。

表示中の記事

  • 小暮写眞館   宮部みゆき
  • 2011年04月11日 (月)

カテゴリ

カテゴリー 月別アーカイブ

 

***