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象の消滅  村上春樹

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新潮社
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村上春樹の初期短篇17篇。
アメリカで出版された英語版の、日本語版、だそう。
読む前からわかっていたことだけど、全作読了済み。バラバラに。
この本のセレクトは、どうなんだろう。
やはり、ニューヨーカーの視点で編まれている、かな。

話せば長くなりますが、私にとって村上春樹は特別な作家の一人。
で、ありながら、「IQ84」いまだ、読んでいない。
哀しいことに、私は近年の彼の作品が好きではなく、
初期から、中期・・・今から5年か、10年前までの彼の作品が大好き。
世界的な大作家になる前の・・・・。

それは何故か、を問うと非常に多くの言葉が必要だと思う。
し、その説明が人を納得させるという自信もない。
それでも、敢えて言うなら、私にとっては「海辺のカフカ」も
「アフターダーク」も「残念な」作品でした。
あの頃から、今度は、と思って読み、失望することを繰り返し、
とうとう新作が、どんなに評判が良かろうと不安で読めなくなった。

初期の短編を久しぶりに読み返し、やはり、好きだなぁと思い、
でも、全てが、というわけではないことにも気づく。
未熟な部分もある。それでも・・・ああ、うまく説明できない。

17篇のなかで「沈黙」と「午後の最後の芝生」と「眠り」が好き。
すごく、共感できるので。とくに、「眠り」は。
私も、この作品の主人公のように眠らずに本を読んだことがあるのだ。

村上春樹の文章が好き。その、リズムと独特の比喩。歯切れのよい、余韻。
あと、主人公の生きる姿勢が日常の細部に丁寧に表現されているところも。
そういう意味では近年の作品は一層磨きがかかっているとは言える。
私が受け入れ難いのは、ストーリーなのだ。
しかし極限すれば、村上春樹の作品において重要なのはストーリーではない。
物語が複雑になればなるほど、むしろ失われるものがあるような気がしてしまう。

単純に私の好みに合わない要素が彼のなかで育っていった、ということなのかも。
・・・方向性の違い、というだけ。
作品に失望しても、村上氏のことはずっと尊敬し、憧れています。

「IQ84」、そのうち勇気を出して読もう。

(2010.3.16)


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昔の記事にコメントで、ごめんなさい。
はじめまして。
空花です。

たくさんの本をここまでまとめられて、
すばらしいブログですね!

村上春樹さんに関して、
私も初期のころの作品のほうが好きなので、
同感!と思ってついつい書き込みしちゃいました。


私が特に好きなのは、
『風の歌を聞け』から『ダンス・ダンス・ダンス』です。
この頃のほうが、
物語を物語として本当に楽しんで書かれていた気がします。
最近のもので良かったのは、
『東京奇譚集』くらいかなあ。

氷香さんはどの作品が一番好きですか?
2010.08.05 20:28 | URL | 空花 #JyN/eAqk [edit]
昔の記事にコメント頂けるの、とっても嬉しいです。
ありがとうございます。

私も、『風の歌を聞け』から『ダンス・ダンス・ダンス』、
そして最近のものなら、『東京奇譚集』って全く同じです。
好みが合いますね!

敢えて一冊を選ぶとしたら、『羊をめぐる冒険』かな。
飽きずに何度も読み返したお気に入りの作品です。

『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』もいいですね。
あの本の中に出てきた、爪切りって覚えてらっしゃいます?
私、憧れて買ったんですよ~、高かったですけど。
ずっと愛用してます。

空花さんのおっしゃるとおり「楽しんで書いてる」空気が
昔の作品からは伝わってきましたよね・・・。
読む側にも「自由」がある感じで、
余白を味わいつつ、伸び伸びと物語を楽しめましたし。

今の作品はメッセージを読み取ることを強要されてるような、
息苦しさを読んでいて感じます・・・

あ、長くなっちゃいそうなので、このへんで。
また、いつでも遊びに来てくださいね。
2010.08.05 23:55 | URL | 彩月氷香 #- [edit]


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  • 象の消滅  村上春樹
  • 2010年03月16日 (火)

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