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となり町戦争  三崎亜紀

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集英社
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知らないうちに、戦争が起きて。
何だかよくわからない「任務」を与えられ。
そして、また、戦争に参加した実感もなく、戦争が終結する。

どこで人が死んでいるのか、そもそも何のための戦争なのか。
何も見えず、聞こえず、「戦争」は主人公の身を通過していく。

呆気ないほど簡単に。虚無とも呼べないくらい、あっさりした空白。
「感じ取ることもできない」巨悪。気配すら感じない悲劇。
哀しみも苦しみもない、幻のような喪失感。

見えていないことは、存在しない。持っていないものは、見えない。

想像力を働かせて、他人の痛みを知り分かち合おう、なんて。
残念ながらやはり、欺瞞か思い上がりか勘違いに過ぎぬのか。

人間が、それでも掴み取りたいと願うものは何だろう。
知らずにいることで得る平和を、良しとは出来ないのは何故だろう。

戦争は、いつもある。ずっとある。すぐそばにある。そして見えない。

(2011.4.28)
三崎亜記にしては、わかりやすく素直な物語。
彼女の生みだす「不安」「破綻」「滅び」が大好きな私には
少し物足りなさも・・・綺麗に纏まっている作品で、そこがむしろ残念。


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時々、写真や雑記も。

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  • となり町戦争  三崎亜紀
  • 2011年05月01日 (日)

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